戦後ソビエトの珍兵器列伝、オブエークト726&279を作ってみました。
どの国にも試行錯誤や黒歴史といっていいような珍兵器があったりするのですがソ連戦車の代表格といっていいのが オブエークトシリーズという試作戦車シリーズです。
「ZZガンダムのアクシズのMS的存在」 とTwitterでとある人が言っていましたがまさにその通り、巨大化とヘンテコ思想に基づいたある種の化け物だちです。
「履帯を左右二セット、計4セットにすれば接地圧軽減されて走破能力があがるはず」という理屈に基づいて作られたのがオブエークト726です。
横からみると一見普通の戦車に見えますが下部は内側にも履帯があって全面履帯みたいな構造になっています。
接地圧軽減という理屈は分かりますが生産性、整備性を考えるととても現実的とは思えません。これが設計者の頭の中から実際の試作計画まで進んだだけでもかなり恐ろしいなと思ってしまいます。
あと個人的に気になったのが操縦席のハッチが車体にありません。けれど砲塔下部には窓があり確かに車体に操縦手が乗る様になっています。
最初は模型化したときのミスかなとも思ったのですがネットで見つけた資料でもやっぱりハッチがありませんでした。
操縦手用ハッチがない戦車というのは記憶にある限りこいつだけだと思います。前後期のソ連の戦車にもちゃんとハッチはあるのにどうしてこいつにはないのか謎が深まるばかりです。あまりにも資料がなさ過ぎてその辺りの事情や構造はよくわかりません。
車高が低いのでその低さを維持するためにひょっとすると無くし、砲塔から乗り込む方式になっているのかもしれません。。
オブエークト279は核戦争下での活動を前提にした戦車です。
冷戦中なので充分考えられる状況ですが放射線汚染下という状況ではなく核攻撃してる場所での運用を想定しているというかなり恐ろしい状況を想定しています。
車体がちょっと変わった形になっているのは爆風の影響を軽減するため、履帯が726と同じく4つあるのは核攻撃で破壊され足場の悪い大地を進むためというまさに脅威の思想に基づいています。ちなみに設計者は726と同じ人物です。実際に試作までされ量産計画もあったそうですが中止されました。
「メタルギアソリッド3」に一応登場していて独特の形状がとても印象的だったのが個人的な想い出です。
上記ゲームに登場したためかこれまでも1/144でもガレキで出ていたりと日本ではそれなりに有名なのではないかと思われます。
IS-3と比較すると今回の2両はほぼ同じくらいの大きさです。
279に関してはクビンカ戦車博物館に実車展示されているのでもし機会があれば見てみたいものです。