2015年8月23日日曜日

掃海艇うくしま

海上自衛隊の強化部門といってもいいくらい力が入っている掃海艇です。
地味だけどぜひ見ておきたい艦艇です。



91年のペルシャ湾派遣によって浮き彫りになった日本の掃海艇の問題点を解決するために海外製の装備をふんだんに取り入れて作られた掃海艇です。それ以前のものにくらべると格段に性能が良くなっています。
 小さい船体の艦尾には掃海具をのせるわずかなスペースと作業機材がびっしりと載っています。
この独特の形状のクレーンに惹かれてしまいます。あまくさに搭載されていたものとは違う良さがあります。
機雷処分具としてPAP-104 Mk5を搭載しています。海中を自走して機雷を捜索、爆薬を投下して処分します。海外製のものをライセンス生産しているそうです。国産で充分と思われていた掃海具は海外に比べて時代遅れになっていたのでこうした実績のある海外製のものがかなり取り入れられています。


 係維掃海具(オロペサ型係維掃海具)も積んでいます。これ自体はフロートで掃海艇で曳航し、その下に水中帆を展開して機雷を引っ掛けて処分します。
複合艇も搭載しています。機械装備による掃海だけでなく複合艇を下してそこからダイバーが潜って手作業で機雷を掃海することもできます。どんなに便利な道具があっても人間による直接作業という選択肢は消えません。
武装として20mmガトリングガンが一門艦首についています。水上戦闘に参加することはないと思いますが、小さい船体を生かして沿岸、港湾などの警備にも使えそうです。
操作部分はこのようになっています。銃といえばコッキングレバーを引いて、トリガー引いて撃つのを想像しますがそうではありません。電気駆動なのでスイッチ操作です。
ほかの艦艇では見ることがなかった測距儀がありました。のぞいてみると左右の眼で見え方が違い、レンズの倍率が違いますした。

この船が他の自衛隊艦艇と何が違うかというと船体が木造でできています。金属製だと磁気機雷に反応するのでその対策のためです。(機関部もアルミを多用して対策してます)なので船体をよるく見るとボコボコしていて木材の継ぎ目が見えます。
ただ、最新のえのしま級からは木材職人不足などの問題からFRP製になっています。
掃海艇には古い技術と新しい技術が使われているハイブリットな艦艇です。